次は浄智寺である。東慶寺から少し先の踏切手前を右に入ると正面にある。左側の路地を真直ぐ登ると葛原が岡ハイキングコースであり源氏山公園に抜ける。浄智寺は鎌倉5山第4位だそうだ。5山1位は次に行く建長寺、2位は円覚寺、3位は今日最後に行く寿福寺、5位は浄明寺である。 5山とは禅寺の中の制度で古代中国に倣ったらしい。

　磨り減った石段をのぼり上に鐘楼がある山門を潜り、拝観料200円を払い中へ入る。この寺は南州宏海という僧が開山に招かれたそうだが、大任すぎるといって、身を引き師の大休正念を講じて入仏供養を行ったいう誠に謙虚な話である。現在のおれがおれがという世知辛い世の中とは違う。
　正面に曇華殿があり中に仏像が３体ある。過去、現在、未来を現しているそうだ。そこを見てから順路にそって庭園を回る。乾拭き屋根の建物もあり中々雰囲気がいい。奥には墓がある。途中、岩を繰り抜いた小さなトンネルがあり、その先に布袋尊がある。

北鎌倉沿いの寺は、殆どが谷戸に沿って出来ている。小袋谷の踏切辺から鎌倉にかけて大きな掘割沿いになっており谷戸になった部分に皆、寺がある。そして奥が墓である。表側の鎌倉は正面が海に面し、山一つ裏側の掘割沿いの谷戸部分に北条氏は寺を作ったわけだ。

浄智寺から鎌倉街道へ戻り、踏切を越えてしばらくすると、建長寺がある。
何回かきているし、どうもこういうでかい寺は好きではないので、拝観料が高かったら止めようとしたが、300円であり入ってみた。
　でかくて圧倒されるだけであまり面白くない。5山1位と言うことなのか、観光バスが何台か来ており、おじさん、おばさんが一杯いた。広くて歩くだけでも疲れる。

　次はすぐ先の円応寺。
建長寺の先をちょっと行って右手の階段を登る。拝観料200円。ここは、閻魔大王と配下？の十王の像がある。

十王とは亡者が冥界において出会う王様のことで、その王様の審査を受け、その後、親分閻魔大王が処置を決定するそうだ。三途の川を渡るのも大変である。普通の人は上流の浅い急流を裾を持って濡れない様に渡る。悪い人は真ん中の深み淵を泳いで渡らなければならない。良い行いをした人は下流の橋を渡れるそうだ。
現世において悪いことをすると冥界において苦労する。皆さん平気ですか？真ん中を渡るようなことをしていませんか。？詳しいことは祀ってある閻魔堂に行けば、各王の像の下に役割が書いてあります。現世において後ろめたいことをしている人は是非どうぞ！

　次は、巨福呂坂切通し。
八幡様西側の駐車場脇を登っていく。しばらく舗装された坂道を登り、その後、舗装が切れ道幅も狭くなり、脇に道祖神の石塚がある。やがて、藪で覆われ道が分からなり、大分登ったのか右下の現在の巨福呂坂切通しを通る車の音が聞こえてくる。この狭い道を北条家の人達は北鎌倉地区のお寺に通ったのか。現代と違い大変である。
地図で見ると行き止まりである。余り切通しと言うイメージがない。むしろ、現在の道路の方が遥かに切通しである。

　訂正：鎌倉散歩２で巨福呂坂は車が通ると書いたが、現在　　　　　の巨福呂坂トンネルの脇上に昔の切り通しがある。

　次は寿福寺へ行く予定だが、目の前に八幡様があるので覘いてみた。
丁度、七五三の時期であり、平日でも一杯参拝客がいた。着物、ネクタイにスーツの子供、親も当然着飾っている。この不況の時に大変なことだ。

　さて、最後は寿福寺。
小町通りの道を横切り横須賀線の踏切を越えると正面にある。ここは5山3位であるが、寺自身は一般解放されておらず山門を潜り、石畳を歩いた先に中門があり、そこからお堂が見えるだけである。しかし、裏のお墓は入れる。

中門のところで、18か19くらいの女の子3人、皆、豪華な一眼レフのデジカメでバシャバシャとやっている。小生の古い普通のデジカメを出すのは気が引ける。まだ社会人になって間もないと思うのだが、ああいう物に金を掛けるのか？その金があったら小生は何に使うのか？そう鉄道旅行、鉄道旅行は金がかかるのだ。

　話は横にそれたが、ここには、北条政子と源実朝のお墓がある。当然史跡コースに入っているのだが、一般の観光客はお墓までは来ないようだ。誰もいなかった。北条政子と源実朝のお墓は所謂、櫓という洞穴にある。鎌倉時代のお墓は櫓が多い。土地を有効に使うためか？鎌倉石と言われる岩を掘るので、手間は大変と思うが昔の偉い人は、そういうことは考えないのだろう。

北条政子と源実朝は親子であり政子のもう1人の息子、頼家は北条家の手により伊豆の修善寺に幽閉され、殺されている。
そして頼家の息子、公暁が実朝を殺す。（公暁も結局殺される。）結局これで源氏の血は耐えてしまい、北条家の執権政治が始まる。裏には北条家の謀略が働いていたのではないか。政子の心境はどうなのだろうか。女では実家、北条家の意向に逆らえないのか？

こうなることが予想できたのでは？それで、不憫に思い、実朝の墓の隣に自分の墓を立てたのでは？

とまあ愚者は想像して鎌倉駅は向かった？？